走るうつ病療法士

2020年にうつ病の診断を受けました。本来はうつ病も支援する作業療法士。浮き沈みしながら暮らしてます。たくさん走ります。2匹の犬と暮らしてます。

風邪をひいたら…祖父の教えと、母の教えと

今週のお題「体調が悪いときの過ごし方」…

 

まだブログ自体開始したばかりで、他に書くことがあるだろう…と思いながらも、思い当たることがあって書きたくなったので書きました。

 なお、ブログタイトル・自己紹介にあるうつ病での体調の悪さではなく、単純に風邪をひいたときの話です。全く参考にはなりませんが、宜しければお付き合いください。

 

Part1.祖父の教え

風邪など体調を崩した時の過ごし方・治し方。家族内で伝統的に引き継がれてきた方法を実践し、何となくそのやり方が体に染みついて長年続けている人が多いのではないかと思う。私もその一人。

 私の母方の祖父は九州の山奥で果物農家をしていた。80歳を過ぎても軽トラを乗り回し、山積みの梨の入ったトレーを運ぶ超人的なおじー様だった。晩年は軽トラのアクセルとブレーキを踏み間違え、軽い認知症を患いながらナースさんに会いにキャバクラ感覚で通院を続けるお茶目な面もあったが、癌で亡くなる直前まで山で働き、腰を丸めた姿など見たこともなかった。

 そんな丈夫な祖父から引き継がれた風邪の治療法は、風呂で芯まで身体を温めるというもの。それは当然、と思うかもしれないが、その方法が少し変わっていた。まず、お湯の温度を自分が耐えられるギリギリまで高くする。幼い頃に教わったことなので具体的な温度は覚えていないが、現在私が実践する際には44度に設定している。そして次が大切。必ず足の指だけお湯から出しておくこと、体も頭も洗わずお湯にだけ浸かったらすぐ風呂をでること。

 足の指を出しておく理由は、指先で身体の温度は上がったり下がったりするから、熱いお湯につけてしまうとすぐに身体も熱くなってしまい、芯まで温まらないといった理由だったと思う。なので、足指だけプカプカ浮かせた状態で肩まで湯に浸かり、顔面から頭皮まで汗が噴き出すまで湯に浸かり続けるのが良いとされる。そして汗だくの顔面を一切流さず、冷えないうちに風呂を出て、分厚く着込んで分厚い布団に入る。布団に入った後も汗は止まらず、あまり健康に良いとは思えない状態となる。これがすぐに治ると聞かされ、母からも風邪をひけばそのように風呂に入る促されて育った。

突き刺す様な熱さが心地よい

 

Part2.母の教え

 加えてそんな母は、風邪をひき幼稚園や学校を休んだ日には、決まって朝から録画し撮りためたアニメをずっと流し、1日2回アイスクリームを食べさせてくれた。アニメは1日1本、アイスは1日1個と決められていた我が家で、これは願ってもないボーナスタイムだった。具合が悪いと感じた朝は、密かに2個のアイスを楽しみにしていたことを覚えている。2個のアイスにもアニメにも特に風邪を良くする効果なんてなく、ただ辛そうな息子を思う母の優しさだったのだと今では思う。

 

 しかしそんな優しさは息子には歪んだかたちで認知され、現在でも風邪をひいたらボーナスタイム。好き放題アイスを食べて良い、アニメを観ながらゴロゴロして良い。むしろそれが改善に繋がると刷り込まれている。自分のお金でアイスを好きなだけ買えるようになり、アニメのサブスク配信が発展した現代、この悪い民間療法は更に悪い方向に発展を遂げている。

 

Part3.自ら開発

 このように大正の祖父、昭和の母と2代に渡り引き継がれた治療法に、さらに平成の私が新たなスパイスを加えて治療の完成を試みた。

 母のもとを離れ一人暮らしになった大学時代になった私は、一人寂しく療養する日数を少しでも減らすべく、眠前に栄養ドリンクを2本飲むことを開始した。“風邪をひいたら栄養と休養”というテレビだか何だかの言葉だけは記憶し、ただ栄養とは何か、具体的な成分などはビタミンCくらいしか知らない。そんな知識で、その栄養とやらが沢山入っているという栄養ドリンクを沢山ぶち込めば治ると本気で思っていた。

 

終わりに

 大学在学から社会人までこの方法を続けていたが、栄養ドリンクにはカフェインが多く含まれており特に眠前に飲むには適さない(確かに熟睡できないとは思っていたが、風邪が辛いせいだと思い込んでいた)ことを知り、見事に私の考案した方法のみ除外された。

 

 現在でも祖父から伝えられた入浴方法と、母の優しさであるアニメとアイスは継続している。風邪なんて普通の風邪であれば、薬を飲んで1日2日寝ていれば、ある程度健康な身体の人なら自然治癒力で治っていくことが多いと思う。しかし、自分が1日2日で治るのはこの方法のおかげ、という強烈な思い込みもあってか、根拠はなくともそうしないとソワソワしてしまい、またアツアツのお風呂を沸かしてしまう。